ZaBoon

ざぶーん。

そのひびきから想像されるのはどんな場面?
お風呂に入るときのこと。岩の上から川に飛び込むときのこと。
荒波を行く船。炎天下に入るプールの心地よさ。
水の中から見上げた青い空。

 

ざぶーん。

どの想像にも共通しているのはきっと「水」。
古来、水に飛び込んだり、水を何かにかけたり、水に何かを投げ込んだりと、水が何かとぶつかるときの音を「ざ・ぶ・ん」と表現してきました。
そのときの水のイメージは、小さく少ないものではなく、大きくて広い水たまり。

 

「海」。

それは地球上で最大の水たまりとも言えます。
地球ができあがってからこれまで、
いつでも今でもざぶーんとしている「海」。

 

私たちはそんな水たまりの上で生きています。
海の上に生きています。

 

すこし、深く考えてみると、
私たちの生活は海に支えられていることに気づきます。
魚や海藻などの食料を与えてくれる海。
地球環境を安定化してくれている海。
美しい景観と癒しを与えてくれる海。
想像の源ともなる海。

 

他方で、
海は自然ゆえ、人間の意図を越え出ていく一面を持ちます。
人間のみならず生物の生存を左右しもします。
だからこそ、
人間は海とうまく暮らしていくための知恵や技術、文化を育んできました。
海の恐れ恵みに与りながら、海とのつながりの中で生きてきました。

 

ところが今や、
私たちと海とのつながりは見えなくなっています。
そうであるからこそ、
多くの海の課題に直面し、その「解決」と向き合わなければいけなくなりました。
課題を生み出したのは、つながりを失った私たちです。

 

海が与えてくれる恵みを失わないよう、
海に支えられている私たちのくらしを失わないよう、
いま、海とのつながりを取り戻すことが必要なのかもしれません。

 

海と私たちのつながりを探り、
海と私たちの可能性を拓いていく場所。
私たちが地球上で生きているboon(恩恵)を取り戻す場所。
それがZaBoonです。

 

ZaBoonと探る海のめぐみ / 3710Lab 田口康大